委 員 太 田 秀 子 委 員 吉 岡 弘 子
委 員 佐々木 明 美 委 員 千 葉 なおこ
――
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開 議 午後1時
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○川田ただひさ 委員長 ただいまから、第二部
議案審査特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、長内委員からは欠席する旨、また、
三神英彦委員からは小須田委員と交代する旨、くまがい委員からは前川委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、議案第3号 令和元年度札幌市
軌道事業会計補正予算(第1号)の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時1分
再 開 午後1時2分
――――――――――――――
○川田ただひさ 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第2款 総務費 第2項 市民生活費のうち関係分の質疑を行います。
◆
あおいひろみ 委員 私からは、子どもの
ウインタースポーツ振興について、大きく2点質問させていただきます。
4月に実施された市長選における秋元市長の選挙公約の一つとして、子どもたちが
ウインタースポーツに親しめるように、市内のスキー場やスケート場の利用促進を図ることが掲げられておりましたが、今回の補正予算案にこの公約を実現するためのさっぽ
ろっ子ウインタースポーツ料金助成に関する予算が計上されておりました。
さっぽ
ろっ子ウインタースポーツ料金助成は、
ウインタースポーツ振興の観点から、子どもたちが手軽にスキーやスケートに親しめる
きっかけづくりを目的として、平成28年度に事業化されたと伺っております。具体的には、初めて本格的にスキー場でのスキー学習が始まる小学3年生の児童を対象として、リフト料金が1,000円割引となる助成券を全員に1枚配付するとともに、札幌市の小学校の体育授業では体験する機会のないスケートについても、貸し出し靴の料金300円が無料となる助成券を小学3年生の全児童に1枚配付する事業です。
実際にこの助成券を利用した児童は、初年度の平成28年度においては延べ2,037人であったものが、3年目を迎えた平成30年度には初年度の4倍以上に当たる9,024人の利用へと拡大していると伺っております。この事業が浸透し、効果が出始めているものと受けとめているところです。
今回は、対象学年を、3年生だけではなく、4、5、6年生まで拡大するため、約4万5,000人の児童のうち、25%の1万1,250人の利用を見込み、1,100万円の補正要求案とされておりました。
そこで、最初の質問ですが、さっぽ
ろっ子ウインタースポーツ料金助成について、事業拡大のため、これまでどのような取り組みを進めてきたか、また、今回の補正予算案の狙いは何か、お伺いいたします。
◎山田
スポーツ部長 さっぽ
ろっ子ウインタースポーツ料金助成の取り組みに関するご質問でございます。
この利用拡大につきましては、まず、スキーに関しては、小学校で助成券を配付する際に、担任の先生からも子どもたちに事業周知のための声かけをしてもらったほか、助成券を使用できるスキー場を当初の6施設から札幌近郊のスキー場を含めた10施設に広げるといった取り組みをしてきたところでございます。また、スケートに関しましても、対象を小学校3年生から全ての小学生に拡大するとともに、冬季に加え、夏季にも助成券を配付しているところでございます。p
こうした取り組みの結果、対象となった児童の保護者に実施したアンケートでは、家族でスキーに行く機会がふえるとの回答が7割を超えました。さらには、きょうだいの分もあると、さらに家族でスキー場に行くきっかけとなるなどといった声も寄せられております。
これまでは、ゲレンデのスキー授業が始まる小学3年生を対象に、スキー場に足を運ぶ
きっかけづくりとして取り組んでまいりましたが、このようなアンケート結果を踏まえまして、このたびの補正予算において、助成対象を6年生まで拡大することでスキーに取り組む習慣を根づかせてまいりたいと考えております。
◆
あおいひろみ 委員 ただいまの答弁によりますと、さっぽ
ろっ子ウインタースポーツ料金助成に関して、事業周知の工夫や対象施設の増加などにより効果の拡大に努めていること、また、今回の補正予算案の狙いについては理解いたしました。
しかし、せっかくのよい事業でありながら、1年に1回、1,000円お得に滑ることができるというイメージにとどまり、これをきっかけにスキーが好きになるとか、2年後、3年後に本格的にスキーを始めたいとか、さらに、その子どもたちが大人になったときに、自分の子どもにスキーをやらせたいと思える状況につながっているかは疑問に思うところであります。過去に配付した3年生が6年生になった今、その子たちがスキーに対してどのようなイメージを持ったかは調査するべきと考えます。私といたしましては、単に利用施設の拡大と利用学年の拡大で利用者数をふやすだけではなく、どのような方法が市民の
ウインタースポーツへの関心が高まるかを研究してほしいなと思っております。
次の質問に移ります。
一冬で6メートルを超える積雪があり、過去に
冬季オリンピックを開催した
ウインタースポーツのまち札幌としては、子どもたちの
ウインタースポーツの振興は、今、ご答弁いただいた料金助成による
きっかけづくりでは十分とは言えないと考えます。
具体的に申し上げますと、子どもたちが
ウインタースポーツに触れる
きっかけづくりは、料金助成という間接的な方法だけではなく、複数の冬季種目を選んで体験できる
ウインタースポーツ塾など、競技の魅力に直接触れることができる取り組みも大切です。加えて、
ウインタースポーツを体験した子どもたちが1回の体験をして終わりというのではなく、継続して
ウインタースポーツに取り組み、少年団などに定着して競技力を高めていくことができる仕組みを、競技団体などと協力して築き上げていくべきだと考えます。こういった地道な取り組みを続けていくことこそが
ウインタースポーツにおいてトップアスリートを輩出することにつながり、ひいては、2030年招致を進めている
冬季オリンピック・
パラリンピックをより意義のあるものとしていけるのではないでしょうか。
そこで、次の質問ですが、子どもたちが
ウインタースポーツに一層親しみ、打ち込んでいけるよう、これまでどのような取り組みを行ってきたか、また、今後どのように取り組んでいくつもりなのか、お伺いいたします。
◎山田
スポーツ部長 子どもの
ウインタースポーツ振興の取り組みについてでございます。
委員がご指摘のとおり、子どもの
ウインタースポーツ振興を図るためには、より多くの子どもたちが
ウインタースポーツに触れる機会を創出し、体験者人数をふやす取り組みや、継続的に競技に取り組む競技者人口をふやす取り組みなどを連動して実施していくことが大切だと考えております。これまでも、中学校のスキー学習にインストラクターなどを派遣することによりまして、その実施率を向上させてきました。加えて、
クロスカントリースキーや
フィギュアスケートといった種目につきましても、同様に指導者を派遣し、広く
ウインタースポーツの振興を図っているところでございます。
また、ご質問にもございました
ウインタースポーツ塾につきましても、体験人数や種目数の拡大によりまして機会を一層創出しているほか、子どもたちが継続して競技に取り組めるよう、競技団体との練習会の共催や少年団が開催する体験会の周知を市が担うなどの取り組みに努めているところでございます。
今後は、体験会のさらなる拡大を図るとともに、ヒアリングなどを通じて少年団のニーズや課題を的確に捉えて、裾野の拡大から選手育成までを含めた効果的な支援策を講じてまいりたいと考えております。
◆
あおいひろみ 委員 私といたしましても、子どもたちに、生涯、スポーツがしっかりと根づくことこそ
スポーツ振興の根幹であると考えており、こういった取り組みを特にしっかりと進めていただきたいと切に願うところです。
最後に、要望です。
ウインタースポーツというと、費用がかかり過ぎるという問題があります。貧困家庭が多い中、なかなか
ウインタースポーツが浸透しないのを補うためにも、例えば、
貸し出し制度や
リサイクル制度などの普及で、どの市民も
ウインタースポーツを楽しめる
仕組みづくりに取り組んでいただくことを要望して、私の質問を終わりにいたします。
◆前川隆史 委員 私からは、
都心部クロスカントリー大会実証実験についてお伺いいたします。
先週の24日、スイス・ローザンヌでのIOC総会におきまして、2026年
冬季オリンピック・
パラリンピックの開催都市がイタリアのミラノ、
コルティナ・ダンペッツォに決定いたしまして、いよいよ2030年
冬季オリンピック・
パラリンピック開催都市の招致レースが本格的にスタートすることになってくると思います。
そして、話は少しさかのぼりますが、ことし1月の新聞報道で、
北海道スキー連盟が、札幌市の中心部の公道などをコースとして使用した
クロスカントリースキー大会を構想していて、2030年大会の招致活動にも生かしていきたいと考えているといった趣旨の記事が掲載されまして、私も、その記事を読んで、これは大変いいアイデアだ、大賛成だと思った次第でございます。
海外では、ノルウェーのドランメンというまちで、まち中での
クロスカントリースキーのワールドカップを開催しておりまして、大いに盛り上がっていると伺っております。
我が会派としては、これまで、札幌中心部でのまち中
スケートリンク設置などを繰り返し訴えてまいりました。人里離れたと言うと言い過ぎかもしれませんが、生活圏から離れたところにあるコースや施設に人を呼び込むための取り組みも重要ですけれども、人の集まっているところに競技大会が出向いていく、気軽に
ウインタースポーツを観戦したり楽しんだりできるようにするといった新たな発想が、雪の都市としてのさまざまな意味での価値を高めていけると思っております。そんな考えを抱いていたところ、このたびの補正予算に、今後立ち上げる予定の実行委員会への負担金として、都心部における
クロスカントリースキー大会の実証実験費が計上されたということでございまして、今後、具体的な取り組みにつながっていくのではないかと大変期待しているところでございます。
そこで、最初の質問ですが、この実証実験は何を狙いとしている取り組みなのか、まずは、その趣旨についてお伺いしたいと思います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの
都心部クロスカントリースキー大会の実証実験の趣旨についてのお尋ねにお答えしたいと思います。
現在、
冬季オリンピック・
パラリンピック招致期成会においては、国内初となる都心部を舞台とした
クロスカントリースキーの国際大会を将来的に開催することを目指し、検討を進めているところです。
札幌市においては、これまで数多くの
クロスカントリースキー大会を市内郊外部で開催してきており、
ウインタースポーツ観戦文化のさらなる醸成を図るために、札幌市も、期成会や競技団体とともに、実行委員会の一員となって、その予算を一部負担し、誰もがアクセスしやすい都心部での
クロスカントリースキー国際大会実現に向けた実証実験を行うものであります。
◆前川隆史 委員 都心部での
クロスカントリースキー国際大会の開催は、国内では初の事例ということでございました。ぜひ、この取り組みを成功させていただきたいと応援しておりますが、多くの人々が行き交う都心部でこうした大会を開催するとなれば、やはりさまざまな課題が出てくるかと思います。
そこで、二つ目の質問ですが、この実証実験ではどういったことを検証していくのか、お伺いしたいと思います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの実証実験の検証内容についてのご質問にお答えいたします。
今回の実証実験では、
補正予算計上時に、大通公園西7丁目から西9丁目を会場としていたところですが、周辺の一部公道利用や会場拡大など、今後、関係者と協議を進め、具体的に検証を行っていく予定でございます。
内容としては、まずは、選手にとってよりよい競技環境を整えるという観点から、街路樹や標識などの障害物を考慮しながら、いかにコースを設定するかという検証が第一に必要となってまいります。また、実証実験の会場設営から撤収までを通して、交通や周辺環境など、市民生活への影響をいかに少なくするかということの検証も必要となります。そして、何よりも、競技観戦を市民に楽しんでもらうという観点から、観戦エリアをどこにするのか、そこへの動線をいかに確保するのか、さらには、訪れた市民の方々が観戦を楽しめたかといった検証も必要となってまいります。
これらの検証を兼ねて、アスリートを対象とした
クロスカントリースキーの大会を行い、競技運営のノウハウを蓄積しながら、競技団体によるコース認定を取得し、将来的な国際大会の開催を目指してまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 競技者や応援する人の立場、また、さまざまな市民生活、経済活動への影響など、多くの観点でしっかりと検証していっていただきたいと思います。
将来的に札幌の都心部で
国際大会レベルの競技大会を開催することになりますと、都心部の競技会場のつくり方、造成方法など、特別な場所での競技運営、大会運営のあり方といったさまざまなノウハウを蓄積していかなければいけないと思います。そのためにも、今後、大会開催の実績、経験というものを少しずつ積み重ねていくことが重要となってくるかと思います。
そこで、最後に、
実証実験初年度となる今年度はどのような大会を行おうとしているのか、お伺いいたします。
◎佐藤
招致推進部長 実証実験初年度となる今年度の大会についてのお尋ねでございます。
今年度におきましては、将来の
オリンピック・
パラリンピック出場を目指している子どもたちが、多くの観客に応援され、成長していくことを願い、ジュニア選手を対象とした大会を開催することを想定しております。また、パラアスリートも参加する大会とすることで、共生社会の実現に向けて障がい者スポーツに対する市民理解を深める機会にもしていきたいと考えております。さらには、大会終了後、一部を歩く
スキーコースとして市民に開放することで、
ウインタースポーツの普及拡大にもつなげてまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 大変夢のある取り組みだと思いますので、しっかり進めていただきたいと思います。
ウインタースポーツの普及拡大に向けて、市民が都心で気軽に
ウインタースポーツに触れることができるのはとても重要だと思います。そんな意味で、我が党では、先ほども少し触れましたが、これまでも、さっぽ
ろ雪まつり大通会場の
スケートリンクの開設期間の延長や北3条広場での開設を主張してきたところでございまして、今回の取り組みもそれに通じるものと受けとめております。
また、この取り組みは、雪まつり後の雪像を崩した雪を活用するとも伺っております。その点においても画期的でございまして、雪まつり後の残雪の2次活用といいますか、新たなにぎわい創出などにも発展し得ると期待しているところでございます。
そして、2030年
冬季オリパラを札幌の地で見てみたいという市民の機運醸成にぜひつなげていただきたいとお願い申し上げまして、質問を終わります。
◆千葉なおこ 委員 私からは、市民とつくる
冬季オリンピック・
パラリンピック開催概要計画について質問いたします。
2026年の開催地がイタリアに決定いたしましたが、秋元市長は、これを受けて、2030年に向けた招致レースが実質的にスタートすると捉えて、IOCの動向を踏まえつつ、市民との対話を重ね、よりコストを抑えた持続可能な冬季大会の実現を目指し、計画の見直しを進めたいとのコメントを発表いたしました。
そこで、質問です。
市長の発言のとおり、本市は2030年の招致に向けて活動を本格化させていくわけですが、今回のイタリアの決め手は83%という国民の高い支持率だったとIOC会長が語っております。ことし2月に北海道新聞が行った
アンケート調査では、札幌市民の賛否が半々と拮抗しております。半数の市民が反対している理由について、本市はどう捉えているのか、お聞きいたします。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの支持率が賛否拮抗していることについてどのように受けとめているかという趣旨のご質問にお答えしたいと思います。
2014年10月に行った
市民アンケートでは、札幌における
オリンピック・
パラリンピック招致への賛否という項目で、賛成、どちらかといえば賛成を合わせると66.7%、反対、どちらかといえば反対を合わせると20.6%と、賛成が反対を大きく上回っていたところです。その後、報道機関が行った調査結果を見ますと、招致への支持が徐々に低下し、ここ最近は賛否拮抗という状況となっております。
その要因の一つには、東京2020
オリンピック・
パラリンピックの開催経費が当初よりも大幅にふえたことが報道され、市民の間に開催経費に対する不安が広がったことがあるのではないかということが考えられます。
◆千葉なおこ 委員 世界各国の候補都市でも撤退が相次いでおりますし、今言われたように、来年の
東京オリンピック・
パラリンピックでも開催経費が膨らんでいる、そういったところから、札幌市民が一番不安に感じているのはやはり開催の費用なのだと思います。
市民生活が大変で経済的な不安がある中、莫大な税金を使っていいのか、将来世代の負担になるのではないかという市民の不安を払拭しなければなりませんが、こうした市民の不安に本市はどう応えていくのか、伺いたいと思います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの開催費用に関する市民の不安にどう応えていくのかというご質問にお答えしたいと思います。
開催経費が幾らかかるのか、あるいは、無駄な支出がないのかということは、市民の関心が非常に高いところであると認識しております。
2026年
冬季オリンピック・
パラリンピックの開催都市に決定したミラノ、
コルティナ・ダンペッツォにおいては、新設されるのはミラノの
アイスホッケー会場のみで、93%は既存または仮設で対応し、コスト削減に努めたと報道されているところです。
札幌市におきましても、既存施設を最大限活用し、できるだけ経費を抑えた計画とするよう検討した上で市民の皆様にお示ししてまいりたいと考えております。
◆千葉なおこ 委員 今後、広く市民の皆さんの意見を取り入れ、反映していただきたいと申し述べまして、私の質問を終わります。
◆村山拓司 委員 私からも、市民とつくる
冬季オリンピック・
パラリンピック開催概要計画についてお伺いいたします。
先週の6月24日にスイスのローザンヌで開かれたIOC総会で、イタリアのミラノ、
コルティナ・ダンペッツォが
スウェーデンのストックホルム・オーレを破って、2026年
冬季オリンピック・
パラリンピックの開催地に決定いたしました。
5月に公表されたIOCの評価報告書では、国内の支持率は、イタリアが83%で、敗れた
スウェーデンは55%とされておりまして、
開催都市決定に当たって、IOCのバッハ会長も、決め手は国民からの支持率の差だと思うと述べるなど、市民の支持率の差が大きな影響を与えたのではないかという報道がありました。一方で、札幌市においては、ことし2月の報道機関の調査によれば、市民の
オリンピック・
パラリンピックへの支持率は53%となっており、ほぼ賛否が拮抗している状況にあります。
さらに、各種報道によれば、IOCは、2030年
冬季オリンピック・
パラリンピック以降の
開催都市選定方法を大幅に変更し、国や自治体の制度により住民投票が必要になる場合は、立候補手続を申請する前に住民投票を求めるなど、より一層、住民の支持を重視する方針であることも明らかとなりました。今回の
開催都市決定の状況や
開催都市選定方法見直しの動向を踏まえると、札幌市が目指す2030年大会の招致戦略において、市民の
支持率アップが大変重要であると改めて認識させられました。
このたびの補正予算に市民とつくる
冬季オリンピック・
パラリンピック開催概要計画策定費という新規事業が計上されておりますが、まず、この補正予算について、どのような取り組みを行うのか、事業の概要をお伺いいたします。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの事業の概要についてのお尋ねにお答えいたします。
今回の補正予算による事業は、市民意見を踏まえた
開催概要計画を策定するため、市民と対話する
ワークショップ等を実施するものであります。具体的には、まず、ことしの8月から10月にかけて、2日間で合計1,000人規模の大
規模ワークショップのほか、各区で50人規模の
区民ミーティングを開催し、招致に対する市民の意見を把握してまいります。そして、10月には1,000人規模のシンポジウムを開催し、
ワークショップ等で明らかとなった論点などをテーマとした基調講演や
パネルディスカッションを行うことにより、市民意見を総括しながら、これらの結果を踏まえて
開催概要計画を練り上げてまいる所存でございます。
◆村山拓司 委員 私が実際に皆さんから話を聞いてみたところでは、もちろん
オリンピック・
パラリンピックに肯定的な方からのご意見もお伺いしておりますが、それ以上に、そもそも招致に興味や関心がない方のほうが多いように感じております。また、
オリンピック・
パラリンピック招致や開催に巨額の経費を投じる余裕があるのであれば、市民の生活に直結した子育てや福祉などの事業に回すべきではないかといった声も多数の方からお聞きしております。このような状況が、まさに賛否が拮抗した市民の支持率にあらわれているのではないかと思います。
そこで、質問ですが、市民の
支持率アップに向けて、課題はどこにあり、そして、どのように取り組んでいこうとしているのか、伺います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの
支持率アップに向けた課題認識と今後の取り組みについてお答えしたいと思います。
これまでも、出前講座などの場を活用し、招致の意義や開催経費の見込みなど、基本的事項について市民への情報提供に努めてきたところですが、今後、なお一層の周知を図り、
オリンピック・
パラリンピックの招致を市民の皆さん一人一人に自分事として捉えていただくことが大切だと考えております。
そこで、全市規模や区単位のワークショップなどを通じて市民と対話を重ね、招致の意義などを伝える一方で、期待や懸念、反対の理由などを把握し、そうした声に応えながら
開催概要計画を市民とともにつくり上げていくことにより、招致に対する共感と支持を得てまいりたいと考えているところです。
◆村山拓司 委員 これから、今以上に市民支持を得ていくためには、さまざまな考えを持った方々と、きめ細かく意見交換を行うことが重要であると考えます。
また、私は、1982年生まれですから、1972年の札幌
冬季オリンピック後に生まれた世代でありますが、札幌
冬季オリンピックを体験した世代であったり、あるいは、子どもたちや学生など、それぞれの世代によってさまざまな考えを持っていることと思います。
そこで、質問ですが、市民との対話において、幅広い世代の市民とどのように意見交換をしていくのか、伺います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの幅広い世代の市民との意見交換についてのご質問にお答えいたします。
これまでも、
オリンピック・
パラリンピックを契機としたまちづくりをテーマとする学生ワークショップなどを行ってまいりました。今後実施していくワークショップにおいても、さまざまな世代の市民にバランスよく参加していただけるよう配慮してまいりたいと考えております。
また、これからの札幌の未来を担う子どもたちについては、
オリンピック・
パラリンピックを札幌の地で見てみたいという希望を抱き、そして、招致を目指す2030年にはこのまちの主役として輝けるよう、今後、意見はもちろんのこと、その夢や希望をも把握していくことを検討していまたりいと考えております。
◆村山拓司 委員 市民のコンセンサスを得ながら
開催概要計画をつくっていくことは、大変重要であります。しかし、それだけでは、高い支持率を得ていくことは非常に難しいと思います。
今後、ラグビーワールドカップや東京2020
オリンピック・
パラリンピックなどの機会を捉えて、世界で活躍しているアスリートたちと連携するなど、招致に向けて、ぜひ札幌で
オリンピック・
パラリンピックを開催したいという機運を盛り上げていく取り組みも進めていただくことを要望して、質問を終わります。
◆わたなべ泰行 委員 私からは、スペシャル
オリンピックス日本冬季ナショナルゲーム・北海道大会への開催支援について質問いたします。
このたびの補正予算案では、夏季、冬季を合わせても北海道で初めての開催となるスペシャル
オリンピックスのナショナルゲームの大会運営費補助や大会PR等にかかわる予算が計上されております。さきの本定例会の代表質問において、我が会派から支援の狙いについて質問したところ、多くの方に競技を観覧してもらうことにより、知的障がいに対する理解を深め、広げることを狙いの一つとする旨の答弁がありました。このことは、我が会派が兼ねてより訴えてまいりました共生社会の実現の観点からも、今大会を開催する意義の大切なポイントの一つだと考えております。この狙いを達成させるためには、ふだん、知的障がいのある方と接する機会が少ない方を初めとする幅広い層の方々に会場へ足を運んでいただくことが必要で、そのためには、大会自体が盛り上がることと、大会に関心を寄せていただくための取り組みが不可欠だと考えております。
2016年に新潟で開催されました前回の第6回冬季大会では、開会式で歌手のMISIAさんが参加者にプレゼントを渡す演出や、エキシビションでは、
フィギュアスケートの元
オリンピック選手の安藤美姫さんが参加して選手と共演したり、大会に参加しない知的障がいのある方の体験プログラムでは、元Jリーガーの北澤 豪さんによるスノーシューイングの体験会を行うなど、大会が大いに盛り上がったと伺っております。
再 開 午後3時20分
――――――――――――――
○川田ただひさ 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆前川隆史 委員 私からは、スノーリゾート基礎調査事業、そして、医療関連産業集積促進事業の2点について、順次、お伺いいたします。
初めに、スノーリゾート基礎調査についてお伺いしたいと思います。
スノーリゾートは、世界各地にさまざまあるかと思いますが、カナダのウィスラーやアメリカのベールなどは世界に誇るスノーリゾートとして大変に有名でございます。そうした世界基準のスノーリゾートに共通している点は、多種多様なゲレンデ、滑降コースがある、また、アフタースキーも楽しめる環境が整っていて、長期間の滞在でも十分に楽しむことができる
リゾート地として完成度の高い魅力があり、世界中から多くのスキー客を呼び込み、高い経済効果を上げているということでございます。
私は、以前から、国内外のスキー
リゾートを経営する皆さんと、時折、意見交換をする機会がありまして、そうした話の中で、何とかして札幌も世界水準の高級スノーリゾート都市として成長できないものかと考えてまいりました。さまざまな意見交換を行う中で、そういった方々に世界基準のスノーリゾートの要件は何かと聞いたところ、まず、基本的に、欧米の富裕層は長期滞在するので、スキー
リゾートとなると100以上の
スキーコースが必要とおっしゃっておられました。先ほど紹介したカナダのウィスラーも、隣接するブラッコムと合わせて軽く200を超えるコースを有しております。長期滞在型の
リゾートを楽しむ欧米の富裕層という新しいインバウントを呼び込むには、雪質がよいというだけではなかなか通用しません。どこかのスキー場をどうこうすればという議論では、そもそもスケールが小さ過ぎるということでございます。
札幌にとって観光は大事な基幹産業ですので、ここを磨き抜いて、これまでより格段に稼げる産業にしていくために、世界水準のスキー
リゾートを目指し、自治体の枠を超えてニセコやキロロなど近隣のスキー
リゾート地との連携を進めて、質・量ともに世界基準の
リゾートをエリアパッケージとして国内外に売り込んでいく、新たなブランドとして確立していく、そうした動きを早急に始めることが重要と考えております。
本来であれば、札幌市というよりも、北海道庁が、こうした考えで新時代の北海道観光のビジョンを持ち、各自治体をもっとリードしていくべきなのかもしれません。ともあれ、こうした考えのもと、我が会派としても、昨年の4定の代表質問で、他都市と連携したスノーリゾート地域の形成を主張してきたところでございます。
秋元市長も、さきの市長選で、道内他都市と連携し、一大スキー
リゾートエリアとしての世界的ブランドの確立を目指すとの公約を掲げられ、呼吸が合っているなと感じているところでございます。加えて、秋元市長の公約には、世界を魅了する都市型スノーリゾートシティを目指して、市内のスキー場の
リゾート化を推進するとの視点も盛り込まれており、世界水準のスキー
リゾートを目指す上では、こちらも必要な取り組みであると感じているところでございます。
今回のスノーリゾート基礎調査は、この市内スキー場を対象とした都市型スノーリゾートの形成に対応する第一歩として、私も大きな期待を寄せているところでございます。
そこで、最初の質問ですが、今回実施するスノーリゾート基礎調査の目的と具体的な調査内容についてお伺いいたします。
◎石川 観光・MICE推進部長 スノーリゾート基礎調査の目的と具体的な調査内容についてお答え申し上げます。
冬季のインバウンド消費の拡大を図るためには、気軽に本格的なスキーが楽しめることに加えて、大都市の魅力をあわせ持つ札幌ならではの都市型スノーリゾートを形成し、世界に発信していくことが重要と考えております。その実現に向けた効果的な施策立案のためには、札幌の特性やインバウンドの動向等を的確に分析することが必要であり、まずは基礎的な調査を実施することとしたものでございます。
具体的には、先進的なスキー場での現地調査や、旅行会社など関連事業者へのヒアリング、インバウンドスキー客に対するアンケートなどを行い、市内の各スキー場が持つ強みや課題、観光客からの評価、アフタースキーのニーズなどを把握したいと考えております。また、インバウンドの取り込みを図る上では、ターゲットとなる地域や客層を設定し、効果的なプロモーションを展開する必要がありますことから、海外の旅行会社へのヒアリングなどによる海外市場調査もあわせて実施してまいりたいと考えているところでございます。
◆前川隆史 委員 ご答弁にもございましたが、今後の調査に当たりましては、市内のスキー場にいるスキー客だけではなく、札幌のスキー場に来ていない方も含めて、幅広い意見を聞いていただきたいと考えます。一方で、調査を実施するに当たっては、札幌市が目指す都市型スノーリゾートのイメージをしっかりと持った上で行うことも重要ではないかと思います。
この点につきましては、市長は、先日の代表質問における我が会派の福田議員の質問に対しまして、スキー場と食や夜景を楽しむ都市型観光との融合を図ることが札幌らしい都市型スノーリゾートシティであると考えているといった答弁をされておりました。
そこで、2点目の質問ですが、今回実施する調査の結果を踏まえまして、スキー場と都市型観光との融合をどのように図っていくおつもりなのか、また、想定される具体的な取り組みについてもお伺いしたいと思います。
◎石川 観光・MICE推進部長 スキー場と都市型観光の融合について、今後想定される具体的な取り組みということでございます。
スキー場と都市型観光との融合を図っていくためには、市内五つのスキー場と、宿泊施設や飲食店など観光事業者や関連団体、そして札幌市が協力体制を構築し、取り組みを進めていくことが重要であると考えております。例えば、都心部とのアクセス向上、飲食店等とのタイアップによるアフタースキーの充実、雪まつりを初めとする冬のイベントとのコラボレーションなど、スキー場と連携した取り組みが考えられるところでございます。このような取り組みを通しまして、札幌の冬の魅力をより一層向上させるとともに、将来的な市内のスキー場のあり方を見据えながら、まち全体で冬を楽しむスノーリゾートシティとしてのブランド化を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆前川隆史 委員 観光地間の競争が大変激化していく中、札幌ならではの魅力を生かして冬の誘客を進めることは、冬季の閑散期対策としても非常に有効な取り組みの一つであると考えております。今後は、さまざまな事業者との連携をしっかり図っていただきながら、着実に事業を進めていただきたいと考えております。
一方で、先ほども申し上げましたが、かねてより私どもが主張してきました広域的な
リゾートの形成につきましても、国内外から多くの観光客を呼び込む効果的な手法であると考えております。こちらについてもしっかりと進めていただきますことを要望して、次の質問に移りたいと思います。
次に、医療関連産業集積促進事業について、先ほどこじま委員からも質問がありましたが、私からも質問させていただきたいと思います。
ここ数年来、札幌市の産業振興における医療関連分野の重要性について着目し、医療業界関係者や大学病院の幹部の皆さんとも意見交換を重ねつつ、代表質問や予算・決算特別委員会などの場で繰り返し取り上げ、議論させていただいてまいりました。そのかいあってか、この春の市長選では、市長公約に、健康や医療を切り口とした産官学の連携強化、先端医療研究を活用した企業への支援、市内におけるバイオベンチャーの起業の促進を掲げられまして、喜ばしく思っていたところでございます。
一方、国においても、先ごろ発表されましたバイオ戦略2019の中で、再生医療などの先端技術を用いた分野での本格的な産業化によって新たな市場をつくり出すことへの期待などが示されておりまして、今後、医療関連分野へさらに力を注いでいこうという強い姿勢が感じられるところでございます。
医療関連産業の今後の経済成長の予測では、今後10年で国内市場37兆円に成長、雇用も3倍増の223万人にもなり、また、海外市場は、何と日本のGDPに匹敵する525兆円まで成長する予測をされているとなりますと、当然と言えるかもしれません。そうした流れの中、この春から保険治療の適用となった札幌医科大学の再生医療は、他都市に負けない世界的にも注目されている先端医療技術で、今後大きな成長が期待されているところでございます。
そこで、最初の質問ですけれども、今回の補正予算において再生医療関連の補助事業が盛り込まれておりますが、どのような背景の中、どういう目的を持って進めていくのか、お伺いいたします。
◎高橋 国際経済戦略室長 再生医療関連の補助事業につきまして、どのような背景の中、どういう目的を持って進めていくのかについてお答えいたします。
現在、札幌医科大学では、5月から、保険適用での治療が始まった脊髄損傷に加えて、脳梗塞といった他の疾患の再生医療についても研究が進められており、また、北海道大学におきましても再生医療の研究が行われ、治験も開始されているところでございます。
このたびの再生医療研究産業応用補助事業につきましては、全国的に注目されていますこうした札幌医科大学での脊髄損傷の再生医療を契機として、第2、第3の再生医療の研究開発を加速させ、札幌における実用化につなげ、市内医療関連産業の拡大を目的としているところでございます。
◆前川隆史 委員 脊髄損傷に続いて、脳梗塞などの再生医療の新たな研究開発をより一層進めていくという意義ある取り組みだと思いますので、成功事例を生み出していけるように、しっかりと進めていただきたいと思います。
しかし、このような先進的な技術が実用化されても、それを生かしていかなくては、激しい競争にさらされている先端医療分野において、国際的な競争どころか、国内の他都市にもおくれをとってしまうことが懸念されるところでございます。
私は、かねてから、アメリカのピッツバーグやボストン、サンディエゴなど、バイオベンチャーが次々と生まれ、医療産業が集積している都市から先進事例を学び、本市に取り入れていくことが必要であると重ねて主張してまいりました。それは、単にそれらの都市の手法をまねるということではなくて、札幌の状況に即した取り組みを実施する必要があるという思いからでございます。
日本国内に目を転じますと、神戸や東北などは復興予算などの巨額な投資によって医療関連分野の産業振興をダイナミックに進めておりますが、札幌ではそのような進め方は現実的ではないと思います。札幌の持つ優位性を生かした札幌ならではの取り組みを行うことが必要かと思います。先進的な研究が行われ、ゲノム医療の拠点病院を有する北海道大学のほか、札幌医科大学の再生医療など、札幌市内で行われている質の高い先進的な研究をもとに、ベンチャー企業が多く誕生し、市内でビジネスを拡大できるようになることがますます必要となってまいります。
そこで、次の質問ですが、補正予算案にあるバイオベンチャーの起業促進関係で、今回の調査に至った経緯とその狙いについてお伺いいたします。
◎高橋 国際経済戦略室長 バイオベンチャーの起業促進関係で、今回の調査に至った経緯とその狙いについてお答えいたします。
本市では、これまでも、バイオ分野での起業に関心のある方を対象とした講座の実施や、大学の研究と企業を結びつける取り組みなどを行ってまいりました。一方で、バイオベンチャーの起業をさらに促進するためには、経営人材の確保や多額の研究開発資金の調達が大きな課題でありますことから、その具体的手法等について調査の必要があると考えたところでございます。また、この調査を通じまして、経営人材の確保や資金調達のノウハウを持つ組織及び個人との関係を構築し、より効果的なバイオベンチャーの起業促進に係る施策につなげてまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 今回提出された補正予算案では、再生医療研究への支援や医療関連分野でのベンチャーの起業の創出支援など、これまで私が主張させていただいた意図も反映していただいており、一歩前進との感を受けてはおりますが、やはり、国内外の医療関連産業が展開するスピード感に比べますとまだまだ足りないものがあると思います。医療関連産業の振興という高いハードルに挑戦していく上で、確固たる信念、そして覚悟を持って、積極的かつ大胆に取り組んでいただきますようお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
◆小形香織 委員 補正予算の概要の中で、34ページの富裕層向けホテル誘致推進と、36ページのアドベンチャーツーリズム推進の二つについて、私から質問したいと思います。
まず、富裕層向けホテル誘致推進の概要の中では、今回の事業で、先進地の調査をするとか、ホテルへのヒアリング調査、意欲の調査などを行うということです。それから、想定しているスケジュールは、今年度検討し、来年度もさらに検討したり選定したりして、その翌年度からは誘致活動をやっていきたいなと考えた今回の予算だという資料をいただいております。また、その先進地というのはどこなのかと事前にお聞きしましたら、京都、奈良、福岡あたりのことを指しておられるということでした。それらの自治体では、用途地域を変更して容積率を緩和したり、税の軽減策などを行っているということでした。それから、そもそも富裕層というのはどのぐらいのお金持ちの方のことなのかということもお聞きましたが、年間で1億円から5億円程度の所得層であり、全世界では0.6%程度の方がそれに該当する人たちなのだということも伺いました。
2年後には誘致活動をしようと考えておられるということですが、札幌市では具体的にどういった誘致策が考えられるのか、この辺でイメージしていることがあれば伺いたいと思います。
◎石川 観光・MICE推進部長 富裕層向けホテルを誘致するための具体策というご質問であったかと思います。
先ほど委員からご指摘がありましたとおり、富裕層向けホテルの誘致に当たりましては、既に、一部の自治体におきまして土地利用の規制緩和、税の軽減措置が行われているところでございます。
札幌市では、今年度実施する基礎調査におきまして、先進地の事例研究、外資系ホテル、国内デベロッパーなどへのヒアリングを行った上で、誘致にかかわるインセンティブ制度について、導入するか否かを含めて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆小形香織 委員 私は、具体的にどんな誘致策をイメージしているのかということを伺っておりますので、そのことをお答えいただきたいと思います。
◎石川 観光・MICE推進部長 この調査を実施する中で、インセンティブ制度について導入するか否かを含めて検討してまいりたいと考えておりますし、具体的な誘致策というのは今後検討させていただきたいと考えております。
◆小形香織 委員 これから考えていかれるということでした。
既に今回で500万円の予算がつけられることになっておりますし、来年度もさらに予算をつけてやっていこうというふうにお考えなのだろうと思います。しかし、もし仮に京都や奈良などで行っているような税の軽減策などが行われるのだとすると、それほどの優遇策が必要なものなのかという疑問もあります。また、今年度に500万円をかけ、来年度は幾らになるかわかりませんが、そこら辺のお金のかけ方が誘致に必要なのかというところは、私は大変疑問に思っております。
それでは、北海道あるいは札幌に対する富裕層の方々の観光ニーズはどんな特徴を持っているとお考えなのか、あるいは、その方々が本市に来られることでどんな効果があるとお考えなのか、そこを伺いたいと思います。
◎石川 観光・MICE推進部長 富裕層旅行者の観光ニーズの特徴と効果をどのように考えているかというご質問でございました。
富裕層の旅行者につきましては、パッケージツアーではなく、自分だけの旅行プランとなるオーダーメードツアーを選択することや、宿泊施設につきましても、時間や空間、スタッフの対応に特別感を求めるなどの特徴があるというふうにされております。また、滞在日数が長く、旅行中に高額な消費を行い、その土地でしかできない体験を求め、自分にとって価値が高いものに対して出費を惜しまないと言われておりまして、観光消費額の増加が見込めるため、高い経済効果が期待されております。
◆小形香織 委員 オーダーメードで特別感を持ち、そこで長い滞在をしながらということでありました。北海道はそれにふさわしい場所になっていくのだろうと思いますし、札幌、北海道の積雪寒冷地であるという冷涼な気候の中で、そこに暮らす人々の日常の生活、文化、気候といったものを肌で感じたいということなのだろうと思います。私は、むしろ、そういう日常生活をしている市民、あるいは、北海道が持つ食文化や豊かな自然を磨いていくことが、結局、ホテル経営をする民間事業者の皆さんが魅力を感じていくことにつながると思います。別に、本市がお金をかけてホテル誘致などをしなくても、自然に行きたくなっていくものなのではないかというふうに思います。
そこで、今、そこでしかできない体験もきっとニーズとしてあるだろうというお答えでしたので、次の36ページのアドベンチャー・トラベル・ワールド・サミットに話を移していきたいと思います。
アドベンチャーツーリズムとは、自然、アクティビティー、異文化体験の三つの要素のうち、二つ以上で構成される旅行のことだということでした。ヨーロッパでは非常に盛んに行われているし、そのワールド・サミットも長くヨーロッパや南米、北米で行われていたもので、それを2021年には北海道、札幌に呼び込みたいということでの予算になっているとお聞きしました。そのサミットも、ただ会議を開催するだけではなくて、エクスカーションというツアーのようなものも実施したり、商談会などもやるということでした。これを札幌に誘致しようということは、今後、本市もアクティビティーツアーに力を入れていこうという方向なのだと思います。
アクティビティーツアーをやるということは、カヌーやサイクリング、あるいはキャンプなどをやるということで、道具を使うだろうと思うのですね。北海道の場合、海外などから飛行機で道内に入ってきますので、アクティビティーをするための道具をどうやって手配するのかということなどを考えますと、例えばレンタルするお店の整備が必要になってくるのではないかなと思います。
また、先ほど定山渓温泉のことでやりとりがありましたが、目的地が山や川など自然豊かなところとなりますと、公共交通が十分ではないことが多いと思います。そのため、現地へ移動する手段やアウトドアの道具をどのように手配していただくかということも考えていかなければならないのではないかと思います。
このあたりはどのような認識でおられるのか、伺いたいと思います。
◎石川 観光・MICE推進部長 アドベンチャーツーリズムにおけるアクティビティー用品の調達や移動手段についての認識というご質問でした。
アクティビティーや自然を楽しむためには、旅行地で、体験するためのアクティビティー用品を調達したり、当然、移動にはそれらを運ぶということでレンタカーを利用したり、そういったさまざまなニーズが生まれるのだろうと考えております。現在、そういったアウトドア関連の事業者の数や実態を把握しているわけではありませんが、アドベンチャーツーリズムを推進することにより、そういう用品の調達やレンタカー利用といった需要の増加が、地元企業の事業の拡大、さらには新たなビジネスチャンス創出にもつながるといった効果があるだろうと考えておりますので、産業の活性化が図られるのではないかというふうに認識しております。
◆小形香織 委員 事業者の実態を把握しておられないということでしたので、これから滞在型で楽しんでいただくための整備を考えていく必要があるだろうと思います。とりわけ、アウトドアグッズは大きなものも多いですし、どんなものをレンタルする可能性があるのか、それはどんな場所でレンタルすることが好まれるのかなどなどいろいろあると思います。それから、滞在型で自然豊かな場所を求める場合の移動手段はどんなことが考えられるのかということも必要だと思います。
ヨーロッパなどでは既にアクティビティーツアーが盛んだとお聞きしておりますが、バカンスがあって、個がとても豊かな過ごし方をするという文化が根づいている地域の方々ですので、通過するのではなくて、じっくり滞在しながら味わいたいというニーズが大きいと思います。そのときに、例えば、大きなものを運ぶのに、いわゆる普通のファミリーカーサイズのレンタカーで足りるのかということもあると思います。あちらの国では、寝泊まりができるキャンピングカーみたいなものとか、それごと車で引っ張るトラベルトレーラーみたいなものがかなり普及していて、そういう車が滞在できる場所、日本で言えば道の駅のようなところだと思いますが、そういうところもあちこちにあって非常に豊かに充実されているということもお聞きしております。
ですから、北海道あるいは札幌に滞在していただける場所あるいは拠点となる場所をどういうふうに整備していくのかということも検討していく必要があるだろうと思いますし、そういう整備をすることで、繰り返し来ていただける、札幌に滞在して楽しんでいただけるようになっていくだろうと思いますので、ぜひとも整備を検討していただきたいと求めまして、質問を終わりたいと思います。
◆小須田ともひろ 委員 私からは、定山渓集客交流拠点施設について、2点ほどお伺いいたします。
札幌市は、平成27年に、地域とともに定山渓観光魅力アップ構想を策定し、温泉街としてのさらなる魅力向上と定山渓エリアとしての魅力創出を基本的方向性として、定山渓が目指す将来像への実現に向けて、令和6年度までの10年間で進める取り組み策を掲げています。これまで、定山渓観光協会が行う定山渓ネイチャールミナリエや雪灯路、雪三舞などの集客イベントへの支援や、ホテルやカフェなどが行う景観形成への補助制度の創設、観光サイン等の受け入れ環境整備など、構想に基づく取り組みを実施しております。このたびの補正予算案で調査費を計上している定山渓集客交流拠点施設も、この構想の基本方針の一つである温泉街らしさやにぎわいづくりを実現するための新たな拠点として位置づけられています。地元ではこの取り組みがようやく動き出したという思いがあり、さらには、この施設の整備だけで終わらず、これをきっかけとして、定山渓全体の魅力をより一層高めていくことへの期待の声も上がっております。
そこで、最初の質問です。
定山渓集客交流拠点施設の整備をきっかけに、定山渓全体の魅力アップにどう取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎石川 観光・MICE推進部長 定山渓集客交流拠点施設の整備を契機に定山渓の魅力アップにどう取り組んでいくかというご質問でございました。
先ほどわたなべ委員のご質問にお答えしたところでございますが、定山渓集客交流拠点施設を整備する目的は、定山渓の集客増加、温泉街の周遊促進、さらには、広く定山渓エリアの周遊、滞留の3点と考えております。こうした定山渓全体の観光に資する拠点としての役割は重要であると認識しておりますが、この施設のみならず、周辺の環境を合わせて整備する必要があるというふうに考えております。例えば、二見公園のリニューアルや散策路の再整備といった周遊性の向上に資する取り組みなどを念頭に、札幌市において最も身近な温泉地である定山渓の魅力の再発見につなげてまいりたいというふうに考えております。
◆小須田ともひろ 委員 この交流拠点施設は、あくまでも定山渓魅力アップ構想に基づく取り組みの一つであるという原点を忘れずに、今後の検討を進めてもらいたいと思います。
施設の整備に当たっては、地域ニーズをしっかりと踏まえてこの施設を検討していくというお話でしたが、定山渓は、観光協会を初め、旅館組合、町内会など多くの地域団体が存在するため、地域の意見をしっかりと酌み取り、それを整理しながら進めていく必要があると思います。
そこで、二つ目の質問です。
地域のために役立ち、地域から愛される施設とするために、今後の検討に地域の意見をどのように反映させていくのか、お伺いいたします。
◎石川 観光・MICE推進部長 今後の検討に地域の意見をどのように反映させていくのかということについてでございます。
地域に対しましては、既に、定山渓観光協会や定山渓まちづくり協議会の総会などでこのたびの補正予算の内容や今後の進め方について説明し、さまざまなご意見やご質問をいただいたところでございます。今後もさまざまな関係団体をメンバーとする意見交換会を開催しますとともに、個別の団体の会合にも参加するなど、地域の意見を十分に把握し、今年度策定する公募要件の中に反映させてまいりたいというふうに考えております。さらに、来年度予定しております民間事業者の選定の際には、地域関係者にも選定委員に就任していただくなど、選定された事業者による基本計画の策定に当たりましても、地元意見が取り入れられるような
仕組みづくりを行うなど、きめ細やかに対応してまいりたいというふうに考えております。
◆小須田ともひろ 委員 魅力的な施設を整備していくためには、地元の方の意見を丁寧に聞きながら進めていくことが大変重要であると思います。先ほど2人の委員もおっしゃっていましたが、地域との対話をしっかり行うことを私からもお願いさせていただきたいと思います。
また、このような大きな施設を整備するには、多額の費用が必要となります。最近報道された北海道や札幌市の宿泊税導入の検討について、地元のホテル関係者から、既に入湯税をお客様から集めている上に宿泊税も集めるとなると、宿泊プランとしては事実上の値上げとなってしまう、そんな心配の声も聞いております。
札幌市におきましては、北海道との調整を初め、入湯税との関係を整理し、定山渓の観光振興のため、その導入に当たっても多くの関係者からのご意見を十分に検討するよう要望させていただき、私の質問を終わります。
◆
あおいひろみ 委員 私からも、定山渓集客交流拠点施設整備について、2点ほど質問させていただきます。
定山渓は、支笏洞爺国立公園の区域内に位置する北海道を代表する温泉地であり、札幌の奥座敷と呼ばれております。札幌観光の財産である定山渓を盛り上げていく取り組みは重要であると考えており、このたびの定山渓集客交流拠点施設整備を契機に定山渓の観光振興が図られることを期待しております。
定山渓エリアの活性の目玉として、このたびの事業に着手するということは、定山渓で温泉を営む方のみならず、札幌市民にも大いに期待される事業と思います。予定地は、国道230号線に沿った定山渓まちづくりセンター横の敷地と伺っております。幹線道路に面する代表的な集客施設といえば道の駅があります。道の駅は、24時間使える駐車場やトイレなどの休憩機能、道路や地域などの情報発信機能、文化・教養施設や観光・レクリエーション施設などの地域連携機能などが登録の要件となっており、今回の定山渓集客交流拠点施設と似ていると感じているところです。
そこで、質問ですが、道の駅と比較して定山渓集客交流拠点施設はどのような特色を持った施設にしようとしているのか、お伺いしたいと思います。
◎石川 観光・MICE推進部長 定山渓集客交流拠点施設と道の駅を比較して、どのような特色を持った施設にしようとしているのかということでございました。
道の駅は、今、委員からご指摘がございましたとおり、休憩機能や情報発信機能、地域の連携機能を有しておりまして、道路利用者を主なターゲットとした施設であるというふうに考えております。一方、このたび整備を進めてまいります定山渓集客交流拠点施設につきましては、観光客を主なターゲットといたしまして、施設を核として定山渓エリアに存在する魅力を発信いたしまして、エリア全体で集客増を図ることはもとより、周遊の促進につなげるといった特色を持った施設にしていきたいと考えております。
このような違いがありますものの、集客や情報発信で成功している道の駅も多くございますので、定山渓集客交流拠点施設整備の検討に当たりましては、それらの成功事例を参考にしていきたいというふうに考えているところでございます。
◆
あおいひろみ 委員 道の駅は道路利用者を目的にしていて、こちらは観光客向けとして整備すると理解しました。
次に、施設整備を進めるに当たっての手続についてお聞きいたします。
定山渓集客交流拠点施設整備では、民間のアイデアを十分に生かした施設整備を行うため、公募による事業者の選定によって民間が整備を行うことを想定しているとのことで、民間と連携してしっかりとスピード感を持って進めていただきたいと考えております。魅力的な施設を整備するために、民間と一緒に事業を進めることは大変効果的であると考えております。しかしながら、事業としての責任や役割分担が確定するまでの契約手続など、市民が納得する方法でしっかりと進める必要があると考えます。
そこで、質問ですが、施設整備に当たり、事業者選定から契約締結までの手続をどのように想定しているのか、伺います。
◎石川 観光・MICE推進部長 定山渓集客交流拠点施設の契約締結までの手続というご質問でございました。
まずは、今年度中に、地域の意見を伺いながら、民間事業者の提案を受け付けるための公募要件を設定する予定でございます。そして、来年度に民間事業者の公募を行いまして、地域関係者や有識者などで構成する選定委員会を設置いたしまして、その委員会において最終提案者を決定したいというふうに考えております。そして、再来年の令和3年度におきましては、優秀提案者と協議を進めるための覚書を締結した上で、提案者が提案内容を具体化した基本計画を作成し、札幌市が基本計画の内容をしっかりと確認した上で、その翌年度となります令和4年度をめどに施設整備に関する契約を締結することを想定してございます。
◆
あおいひろみ 委員 札幌市が責任を持って契約締結までの手続をすることを理解いたしました。
最後に、要望です。
今回の定山渓集客交流拠点施設整備は、平成28年に開湯150周年を迎えた定山渓としては待ちに待った事業と感じております。また、札幌市としても、財産である温泉街の活性化は大いに期待されるものと感じております。こうした事業には、先ほどわたなべ委員や千葉委員、そして小須田委員も要望しておりましたが、地域の方々や観光協会の意見を取り入れることが特に重要で、定期的に地域住民とのワークショップや意見交流会などを取り入れていただくことを私からも要望いたします。また、アドベンチャーツーリズム推進事業とかけ合わせながら進めていくのも可能なのではと考えております。
私としては、例えばドイツのバーデン・バーデンのように、美術を鑑賞しながら温泉入浴が旅行と同時に楽しめるような、世界中から保養に来て、気に入り過ぎて最後には住んでしまうようなまちになってほしいと考えております。全世界の温泉街を参考に、50年、100年先につながる次への魅力のある施設整備をお願いして、私の質問を終わります。
◆水上美華 委員 中小企業の事業承継について、2点質問いたします。
委員長、前段で先ほどの他の委員の質問と重なる部分がありますが、違う視点で質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
本市においても、経営者の高齢化による廃業は喫緊の課題であると認識されているという答弁がありました。私は、広い意味で、後継者不足という人手不足による労務倒産と言ってもいい状況ではないかと考えております。
帝国データバンク札幌支店が2018年に調べた道内後継者不在企業動向調査によると、北海道全体の後継者不在率は73.5%と、全国平均の66.4%を7.1%上回り、全国9地域で最も高い結果となっております。業種別ではサービス業が78%、売り上げ規模別で見ると1億円未満が82.1%で最も高いということですが、人口規模からいっても本市で事業を展開する中小企業の割合も相当高いことが予測されます。
また、先ほどの調査によると、道内1万843社のうち、詳細な後継候補が判明している2,871社の後継者の属性を見ると、後継候補として最も多いのは子どもの52.2%で5割を超え、次いで非同族が30.6%となっております。道内企業では子どもを後継候補に選ぶ傾向が強く、全国平均の39.7%に対し、道内平均は52.2%と12.5ポイント高い傾向にあり、社内外の第三者へ事業譲渡を行うことに対する抵抗感が高い地域ではないかと予測されます。
先ほど、今後の事業の進め方についてご答弁がありました。私は、道内の現状に鑑みて事業を進めることが求められていると思います。
そこで、お伺いいたします。
今回の事業承継支援の取り組みにおいて、親族以外の第三者への事業譲渡を進めるための方策について、札幌市としてどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎一橋 産業振興部長 親族以外への第三者へ事業譲渡を進める方策についてというご質問でございます。
平成29年度下期に実施いたしました札幌市企業経営動向調査では、後継者予定先として、親族が59.2%、親族以外の役員、従業員が32%、外部からの招聘が3.5%という結果でございまして、この調査からも、札幌市の中小企業で親族を後継者候補に選ぶ傾向があることを認識しているところでございます。親族に加えまして、役員等に後継者がいない場合には廃業を選ぶ可能性が高まることから、事業承継を希望する社外の第三者への引き継ぎの機会を新たに創出していくことが重要であると考えております。
今回、札幌市が取り組む事業承継は、主に第三者への引き継ぎを対象にしていますことから、事業の承継先となる企業や創業者の紹介、事業の将来性や事業革新についての客観的な評価を行うなど、きめ細やかな支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
◆水上美華 委員 私は、事業承継支援は今後重要な取り組みになると考えております。また、国や都道府県単位、市町村単位でも同様の取り組みを導入しております。ここは、札幌市も、受け身ではなく、どうにか承継して事業を継続してもらいたいという熱意を示していくべきだと考えております。
今後、国全体で、事業が黒字でも廃業を選択する企業が多いと予測される中、2025年ごろには約650万人分の雇用と約22兆円分のGDP、国内総生産が失われる可能性が指摘されております。地域経済の衰退や雇用の喪失を招かないためにも、本事業が実りあるものになっていただきたいと強く感じております。
事業承継については、他の自治体でもさまざまな取り組みを行っております。その事例の一つですが、群馬県の高崎市では、高齢化率の高い業種の一つである飲食業に特化した絶メシリストといったホームページを2017年に立ち上げ、後継者のいない飲食店の後継者募集を行っております。このサイトは、事業承継の専門ではなく、シティプロモーションホームページ内に後継者募集を設けたようですが、全国的に大変話題となり、福岡県柳川市や石川県が独自の絶メシリストを公開するなど横展開の広がりを見せたほか、高崎市の掲載飲食店では、お客さんの増加や後継者の問い合わせなどが多数あり、大変効果的な取り組みと聞いております。
また、この取り組みは、国内最大級の広告賞のACC TOKYO CREATIVITY AWARDS2018のマーケティングエフェクティブネス部門でグランプリを受賞しております。この取り組みは、地元に愛されてきたお店の味を受け継いでくれる後継者、働き手、ビジネスパートナーを飲食店に特化している事例ですが、この札幌市も、産業振興ビジョンにおいて、札幌を含めた北海道経済の成長を牽引する重点分野に食文化を位置づけておりますので、ぜひとも札幌でも取り組んでもらいたいと思います。
そこで、お伺いいたします。
札幌市の事業承継支援の取り組みにおいて、飲食店など特定の業種に特化した取り組みを実施する考えがあるのか、お伺いいたします。
◎一橋 産業振興部長 飲食店など特定の業種に特化した取り組みの考えについてでございます。
先ほどお示しいたしました企業経営動向調査では、事業の後継者の状況についても調査しております。引き継ぎたいが、後継者がいないと答えた割合の多い業種の1位が飲食・宿泊サービス業で16.7%、2位が建設業の11.1%でございます。
札幌市にとりましては、高齢化する経営者への対応が急務でありますことから、現時点におきましては、特定の業種に特化した事業の展開ではなく、経営者の年齢を考慮し、中小企業全般を対象にしていく予定ではございますが、今後、事業を進めていく中で、札幌の産業構造の特性などを十分に勘案しながら、業種の特化ということについても検討してまいりたいと考えております。
◆水上美華 委員 最後に、2点要望させていただきます。
1点目は、本事業により行われる訪問支援や電話調査により、後継者不足企業の把握と起業志望者とのマッチングが効果的に行われることを大いに期待するのとあわせて、小規模事業者にしっかりと手の届くしなやかな事業展開をぜひとも期待いたします。
2点目は、事業承継やマッチングから漏れ落ちるおそれもある地域の食文化を絶やさないといった取り組みも有効かと思いますので、前向きな取り組みを要望いたします。
○川田ただひさ 委員長 以上で、第1項 商工費の質疑を終了いたします。
最後に、第2項 農政費の質疑を行います。
◆竹内孝代 委員 私からは、農業者等の6次産業化の取り組みについて質問させていただきます。
近年、6次産業化という言葉をよく耳にするようになりました。6次産業化は、第1次産業である農林水産業が、生産だけにとどまらず、それを原材料とした加工食品の製造と販売、また、観光農園のような地域資源を生かしたサービスなど、第2次産業や第3次産業にまで踏み込むことと定義されております。生産、加工、販売までを一貫して行っていくということで、農産物のブランド化や地域特産品の開発、また、消費者への直販などにつながり、付加価値がつくことによって生産者の所得向上が図られていくものであると認識しております。
私の地元清田区におきましても、養鶏農家がみずからの生産物である卵を使用したスイーツや総菜を販売するお店、また、野菜農家がイチゴやサツマイモを加工したスイーツを販売するお店に人気がありまして、札幌の農業においても6次産業化が浸透してきているように感じております。
しかしながら、この6次産業化に取り組む場合には、特に施設整備に多くの費用がかかり、農業者の負担が大きいのが実情であります。国は、平成22年度に六次産業化・地産地消法を制定し、この法律に基づく総合化事業計画の認定を受けた農業者に対して、資金の融通などの一定の支援を実施できる仕組みをつくりました。さらに、平成30年度からは、食料産業・6次産業化交付金制度を創設し、当該計画の認定を受けた農業者に対し、農林水産物の加工、販売等の施設整備を行う場合の費用の一部について、市町村を通して支援することとなったところであります。今回、補正予算の要求があったのは、この交付金制度の利用予定があるためと聞いており、期待しているところです。
そこでまず、初めに質問しますが、総合化事業計画の認定を受けている件数について、全国、北海道、札幌市ではそれぞれどのくらいなのか、また、札幌市で食料産業・6次産業化交付金制度を活用したこれまでの取り組み事例について伺います。
◎中田 農政部長 食料産業・6次産業化交付金制度の活用実績についてでございます。
六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業化計画の認定を受けた件数は、ことし5月末現在で、全国で2,465件、北海道で152件、札幌市で7件となっております。そのうち、平成30年度に創設された食料産業・6次産業化交付金制度を活用した事例としては、従前からレストランを経営している方が、農業法人を立ち上げて西区小別沢にファームレストランを開設した事例がございます。また、今年度は、菓子製造販売業の関連会社である農業法人が清田区に生乳と鶏卵の加工処理販売施設を建設中であり、当該制度を活用する予定となっております。
◆竹内孝代 委員 総合化事業計画の認定を受けている件数は、平成22年からの10年間で全国で約2,500件ということは、国を挙げて推進してきている成果であると考えられます。また、この認定を受けた農業者の約8割が売り上げ増加の結果を出しているとも伺っており、私も大変注目しているところであります。
札幌市では認定が7件ということではありますが、大消費地に立地する有利性を考えますと、6次産業化に取り組む環境が整っていると思いますし、これからまだまだ伸びる可能性があるのではないかと考えております。このような取り組みは、農業者の経営拡大や経営安定の強化が図られるのみならず、地産地消を促進するなどの波及効果も期待できると考えます。
そこで、次の質問ですが、札幌市の農業者が6次産業化に取り組むことでどのような効果を上げてきているのか、伺います。
◎中田 農政部長 6次産業化の効果についてでございます。
小別沢のファームレストランの事例では、他産業から農業参入が図られ、新たな担い手の確保につながっているほか、遊休農地の活用により農地が保全されているところでございます。
また、6次産業化を目指して設立された農業法人が周辺の農業者と連携して取り組んでいる事例では、原材料の安定供給や加工品の多様化、規格外品の利用といった点で双方にメリットがあり、地域の農業経済全体の活性化につながっているところでございます。さらには、ファームレストランや農産加工品の販売などによって、消費者と農業者が直接結びつき、地産地消や農業理解の促進が図られているものと認識しております。
◆竹内孝代 委員 6次産業化の取り組みは、今お話がありましたように、地域農業の振興に寄与する大変意義のあるものと改めて感じました。
私の地元の清田区では、きよたスイーツ推進協議会が中心となりまして、区内の菓子店が協力して、スタンプラリーの実施など、6次産業化に取り組む農業者も加わって、スイーツを通じた区の魅力アップ、また、魅力発信を行っております。また、毎年、区役所前の市民交流広場におきましてきよたマルシェを開催し、一昨日もミニマルシェがにぎやかに開催されたところでありますが、主に区内で生産された新鮮な野菜、また農産加工品を販売し、生産者と消費者をつなげる地産地消の取り組みを推進しているところであります。
この6次産業化の取り組みというのは、農業者の経営強化のみならず、さまざまな産業や市民との連携による地域づくり、まちづくりにも寄与することが期待できると考えます。今年度、新たに清田区役所近郊にスイーツに係る加工施設が加わることで、さらに地域の魅力アップが図られるのではないかと地域も期待しているところでございます。今後、地域づくり・まちづくり施策の観点からも、農業の6次産業化の積極的な推進を求めて、私の質問を終わります。
○川田ただひさ 委員長 以上で、第2項 農政費の質疑を終了いたします。
以上をもちまして、本委員会に付託されました全案件に対する質疑を終了いたします。
次回は、7月3日水曜日午後1時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
――――――――――――――
散 会 午後4時16分...